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road 2014.1.27.
先日、地元図書館(松戸市立図書館○○分館)の棚隅(随筆・詩歌コーナー)で<しまおま>という背表紙が目に止まった。 、、、はてな? ![]() 真白い表紙に子供がクレヨンで描いたような丸顔が笑っていて、
パラパラっとめくると活字の組み方が緩く簡単に読めそうなので借りて帰った。
既に片手に持っていた一冊は『どこから行っても遠い町』小川洋子だが、2冊そのまま借り出した。 あの家族のその後はどうしているのだろう?
ぼんやりと思うときがあったものの、ぼくの島尾敏雄はセピア色のむこうに遠ざかってしまっていた。 WAVE出版 2007年刊 \1400+税
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『まほちゃんの家』を読むと、長男から見る島尾敏雄像以外にも、その長男そのものが原寸大の「父」として書かれ、敏雄はまほ本人の目に映る「祖父」でもあり、敏雄の娘は愛すべき叔母の「マヤさん」、そして自分に愛情を惜しみなく注ぐ二人の祖母、誰もが鮮やかな陰影をもって描かれる。 今時の若い娘の口語調文体をほどよく使いながら、サラサラとしたスケッチとして身近な者たちを描き分けているところがなかなかの手際である。 彼女の高校時代の教室での孤独感と、ごく少数の友との貴重な友情は、現代の若者の繊細さと生きにくさを伝えている。(彼女は 自分の実体験を元に描いた『高校生ゴリコ』1997年刊というマンガでデビューしたそうだがボクは中身を知らない)
「島尾敏雄」で読み残していた部分が、利発な孫のおかげでやっと読めたような 、、、
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