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Mochi の Logcabin   葦立文 庫版 山と旅のエッセイ集


藤鶴のブランコ



二 箭 山
 ふたつやさん  

ミニミニ修験の山

標高710m いわき市

up road 2013/7/5



藤蔓のブランコ



  2008年4月30日 1回目
駐車場の案内板


知人から、手軽だし変化があって面白い、と奨められていたのでした。
確かに我が家から常磐自動車道を使うと、途中休憩を含めて片道3時間。


(柏IC←・→いわき中央IC)



駐車場に立つ看板
看板の後方が二箭山



ミツバツツジ可愛らしく沢・岩場・花と箱庭式ワンセットでお出迎え。展望も良好。

男体山脇の角
高所恐怖症の人には出来ない。

男体山付近










    

男体山、女体山  
男体山(奥)と女体山
女体山の方が岩体が大きく標高もわずかに高い。





     下界には薄靄がかかっていた。
女体山頂のM

 



                                                                                                                 
山頂を彩るアカヤシオ

 山頂近くによく目立つ岩塔が2本あり、二箭山の名がついたのだろう。 どちらも鎖が掛けてありスリルたっぷりに楽しめる。
 それをよじ登って利休の茶室ほどの広さのテッペンで弁当を開く。
 この岩塔上部に転落防止の柵などはいっさい無いから、子供を登らせるべきではないだろう。 大人もアルコールは厳禁。特に下りには慎重さが要求される。
 また、ロッククライミングの練習にツルッとしたフェイス部分が利用されていて、岩面に残置されたハーケンや埋め込みのボルトがみえる。
 昔、修験に使われたような場所には今も鎖や麻ロープが掛けてあり、今も使えるが、 女体山の方には安全に迂回して登るルートもある。

 常磐道は滅多なことでは渋滞がないから、お手軽志向のハイカーにお勧め。  昼過ぎには下山したので、小名浜漁港でおさしみ定食を食べ、魚も仕入れて帰途についた。



     2009年10月30日 2回目 

始まりを沢コースにとる。(前回とは逆回り)

水垢離の滝沢の小滝
                 
            小滝が連続する場所もあり楽しめるが、朝のうちの谷底は暗い。

滑(なめ)と落葉


沢の上部に滑になった場所もある。岩盤の表を薄く流れ下る水、岩の凹凸によって流下せずにしば し留まる木の葉。











サルノコシカケ






サルノコシカケ
奥にも見えるし、もっとたくさん着生していた痕も残る。









沢の詰めの紅葉










ついに沢の詰め(清水の湧き口)にきた。
















女体山、ワイド

 左上の人は既設のロープや鎖を使ってこの正面を直登したが、
  左側に迂回してこの岩に立つ道もある。

女体山、縦長
女体山(前の写真の裏側から見る)

いわき、白水阿弥陀堂
下山が早かったので、いわき市 内・白水阿弥陀堂にお参りしてから帰った。



        2013年5月9日 3回目
落石痕

この間に2011年3月11日の大震災があった。

写真は女体山。
山頂部に過日の3.11地震で頂上部の岩が崩落した跡が真新しく見える。



 放射能の件

 
国が広報しているデータでは、いわき市はわが松戸市や隣の柏市 (いずれも千葉県北西部)より放射線の空間線量が低いのである。いわゆる「東葛地区」数市が「ホットスポット」になった結果で あるが、いわき市の方が低いというのは少しあやしい。
 今回 行ってみればハッキリするだろう。



自宅6:10出発。常磐自動車道「いわき中央IC」を降り、山麓のトイレ付きP (20台可)に 入ったのが8:47。
2時間半の道中では、高速道の両脇の森で、放置された杉や雑木の林に藤が絡みつき咲いているのを飽きるほど見た。

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看板−1 駐車場に着き、ボクが荷物を整理し ているうちに山の神がトイレに行き、その脇の看板を見て来て言う。
「すごいわよ、放射能が!」
「ホントに? あの左側の掲示に小さく貼ってあるヤツかい。 町の方は低くても、こっちは山だから高いのかもね」

 ボクは放射能の加減が知りたくて来ていて、それは想定内なので普通に返事する。
 また、ボクらが半日ぐらい浴びたとしても、もう老人なんだから余り驚くことはない。入院してX線を何度も撮られたと思えば同じことだ。
 
 何と彼女は、ボクらに続いて隣に車を駐めた老人にも同じことを言っている。
  するとその老人が軽くいなした。
 「大丈夫ですよ、ボクは大体週に3回はここに来て登っていますから。ほら、何ともないですよ!」
 ボクは「ありゃ、それはそれでまずいんじゃやないの? 癌が見えてくるのは5年も10年も後のことでしょうが、、、」と思う。
 でも、このように楽天的にのたまわる老人の意見も、ひとまずは尊重しておくことにした。
 
  山の神はその後すぐに到着の我らと同世代の夫婦(らしい)ペアの女性にも声かけしていた。
「山の上は放射能がすごいですよ!」
 でも声を掛けられた奥さんは顔も向けず返事もせず。要するに聞こえないふりをしてトイレに入ってしまった。「そんなことは百も承知」で「よそ者にまで余 計なことは言われたくない」
分岐点という態度であった。
 
前の老人も彼女らも、地元ナンバーの車で来ていたからこのあたりの人なのだろう。
この老人とはこのあと抜きつ抜かれつ、その都度山の神が彼と話す。彼も話し好きの屈託のない好好爺なのだった。
「山には老化防止で登っているが、ちっともコレステロールが減ってこないの。くたびれ損のお疲れ様仕事なんだが、山は気持ち良いので辞められないよね」
 「いいじゃないですか。お金の要らない健康法ですもの。うちの彼もいつも山に来たがっているんですよ。でもなかなか思うように時間がとれなく て。夕べ思い立ち、今朝5時起きして来たんですよ」
「おれなんかも朝は早いよ。夜が明ければひとりでに目が覚めて起きるからね。」
 

クマザサの道
少し笹が被りぎみの尾根道。新緑が気持ち良い。

計測−1計測−2







計測−3
 
  放射線量=
μSv
 

  上 0.35    0.20       
  左 0.27




頂上下


ガイガー警告の黄色












   
 最 初の小さな岩山に着いた。計測してみると表示板の背景が緑色から黄色に変わり、警告状態になった。    0.40μSv以上あることを 示す。
 
  この場所で失敗があった。ガイガーをうっかり手から落としたせい?で計測が不安定になったため、 以後も計測は続けたが、当ホームページへの記載は以下見合わせる。
(帰宅後中を開けてみると、細線のハンダ付けが一箇所断線していて、接触したりしなかったりする状態になっていた。これはハ ンダ付けをやりなおすとアッサリ直っ た。)

スズメバチの警告鎖場−1




















 
   最初の鎖場へ来た。スズメバチは怖い。岩にとりかかっているときに来られたら?!

淋しいアカヤシオ





山頂附近に多いアカヤシオがすでに見頃を過ぎていたが、今年は花付き自体があまり良くなかったそうだ。




  今度も手抜きせずに男体山と女体山の岩の上に登った。
  この山のピークと三角点は二つの岩峰より後方の樹林のなかにある。

  鎖場−3    鎖場−2























山頂付近、桜と若葉、ワイド



       放射能のこと

放射能インフォメーション
帰り際、駐車場の掲示板を改めて写真に撮っておく。

  ボクラが日帰りハイキングをするくらいなら余り心配は要らないだろうとは思うが、注意書きの2−@ABをきちんとやるのは案外むずかしい。

 自分たちの生活圏では常時かなりの放射線を浴びていて、この日だけ対策を取っても始まらない。すなわちボクラは2−@ABのどれも実行しなかった。当然 にも、地元の人々はじめマスクして歩く入山者は1人も見かけなかった。
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            以下のコマは二箭山と比較のため全て翌日撮影   
靴に、特に多い放射能を着けて帰った様子は無い、とわかる。自宅玄関前で撮影。
靴−1靴−2












                                左 0.16μSv/h       右  0.14μSv/h

  参考までに:
  我が家の近くの表通りの同一場、かざす向きを変えて計測してみる。
  この測定器は背後からやって来る線量を測る。
交差点−1交差点−2

  左  0.21μSv/h 
  右  0.18μSv/h 




線量はそれほど順調には減衰していない。事故から2年余り経ったので、計算上は放射性セシウム2種の合計で 20〜30%ほどは少なくなっているが。

  


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